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シンガポール和僑会でウミガメ起業の話を聞く

海外ネタ-シンガポール 海外ネタ

1/30にラングリッチの資本家でもある加藤順彦さんの講演を聞いて来ました。
和僑会、というのは、

和僑会(わきょうかい)は、香港・中国本土を拠点に世界で活躍する日本人企業家(和僑)組織で、香港・シンセン・シンガポール台北・モンゴル・北京に設立。「和僑」とは海外進出し現地籍を持つ起業家を指す呼称であるとしている。各和僑組織は「和僑会」に現地地名を付記して活動をしている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E5%83%91%E4%BC%9A

でして、シンガポールでは2年前より準備を始めていて、今回が第1回目の定例会とのこと。
理事の人も元々香港和僑会のメンバーだった方など。
今はまだ来場者も30人程度なので講演者との距離が近いですね。終わった後の名刺交換時に講演者に直接意見を聞くことも可能です。まぁなんてお得!
僑については、このエントリを最後まで読んで僑がどれだけすごいのかを知ってほしいです。
グローバル人材を目指す前に、グローカル人材を目指してみよう!世界を股にかける前のステップとしての「日本人村」就職


事前にラングリッチCEOの占部さんに「加藤さんってどんな人?」と聞いた所「プロのビジネスマンですね」「Super Angelですね。業界用語で言う」「数ある会社の役員を兼務しているようですが、ラングリッチはかなりひいきしてもらってる気がします。本当にお世話になっています。」「話し上手な人なので面白いと思いますよ」というご返答をいただきました。期待が高まります。


講演の内容自体は「若者よ、アジアのウミガメとなれ」【加藤順彦ポール】を読んでもらうといいと思います。私のメモ書きとこのエントリから随時引用してレポります。


まず掴み。「海外で起業して成功した日本人を挙げてください」という質問から入ります。
この質問では名前が挙がらなかったり、挙がったとしても他の人がその人物を知らないことがほとんどです。
それはロールモデルになる人がいないということ。
日本人が海外に出ようと思いにくい理由のひとつに「あの人みたいになりたい」という人がいないことが根本的な理由ではないか、と加藤さんは考えているそうです。


そして今、加藤さんは若者の起業を応援することを仕事にしました。
まずクロスコープ。これは起業を応援する箱、バーチャルオフィスです。ただのSOHOの箱ではなくサポート等も色々とやっているそうで、事業内容を英語でINCUBATION OFFICEとしています。
インキュベーション、何か聞いたことありますね。魔法少女まどか☆マギカのマスコットキャラにしてラスボス、キュウベエの本名、インキュベーター…。鶏の卵を孵化させるための装置、インキュベーター


それから、育てている最中のものについて具体的に紹介がありました。

  • 言わずと知れたラングリッチ(オンライン英会話)
  • アキバのホシ(ジャパニメーショングッズ販売)
  • satisfaction guaranteed(アパレル)
  • Pan Asia Partners(ASEAN・中国インド展開支援のコンサルティグ)

そもそも加藤さんはPan Asia Partnersをやるために来星したそうですが、こういうコンサルティング会社のクライアントは大企業しかなく、それを支援するのは面白くない、とやっていて気づいたそうです。
加藤さんがアツクなるのは、スタートアップの支援、それも本人より一回り下の若者、今加藤さんが44歳なので32歳以下ですね、そういう若者を手伝っている時が一番アドレナリンが上がると気づいたそうです。


来星以前の加藤さんがやっていたのは広告代理店。かれこれ16年で、やっている間は幸せだったそうです。
が、引用

ところが、2006年1月のライブドア事件を契機にインターネット業界が、いやベンチャーの市場全体が暗転しました。NIKKO(当時)のクライアントはネットベンチャー企業が大半でした。ライブドア事件後には、そうしたネットベンチャーの株価が下落し、信用収縮と相まり、宣伝費を削る動きが巻き起こりました。さらに同じ時期にグレーゾーン金利の過払い返還が可決されました。当時、NIKKOはSEM検索エンジンマーケティング)に力を入れており、外資系大手の消費者金融が最大顧客でした。一斉に消費者金融が出稿を取り止め、御得意先も日本市場から撤退。数多くあった新興のマンションデベロッパーも姉歯事件以降、建築確認が行政から出なくなり、資金繰りが極端に酷くなっていました。さらに当時の優良顧客であった短期業務請負業者も、様々な理由?により、事実上の廃業にまで追い詰められ、広告も止まってしまいました。

遂に、NIKKOは06年3月度には月商10億円超あった売上が、同年末には一気に月商5億強にまで落ち込んでしまいました。

万事休す。地獄をみました。

「若者よ、アジアのウミガメとなれ」【加藤順彦ポール】 : TechWave

自分の16年の成功体験を「努力したからだ。自分はすごかったんだ」ではなく「タイミングが良かった。インターネットの広告産業自体が急成長したから尻馬に乗れた」と評価し、もうタイミングが終わってしまったのだからと次の仕事へ。この見極めはすごい。


そして、ではどこにタイミングが来るのか、と考えた時に日本経済研究センターの各国GDPの2005年と2030年の比較した成長予想グラフを見、これからはアジアだ、とやってきたわけです。

もしもあなたが経営者で、若きベンチャーで、これから成長を志すのであるなら、成長する市場の追い風を受けるべきだと思います。どこに風が吹いているのかを知り、風を掴むことが大事なんです。極論、背中に追い風を受けていれば、止まっていても前に進むんです。

「若者よ、アジアのウミガメとなれ」【加藤順彦ポール】 : TechWave


また、反対側からも言っています。もし追い風を受けられない環境であればどうなるか。
それは、新しい企業から順番に潰される、ということです。
全体のパイが縮小して、ある業種が今までは食えていたのに食えなくなった場合でも、1番の会社は潰れない。ただし、4〜5位は厳しい。そういう時に新しい参入者が入ってきたら、彼らは自分の身を守るために参入者を潰しに掛からざるを得ません。
競合他社でいいアイディアを持っている人がいて、それが自分の所でも実現可能なものならば模倣するのが当たり前でしょう。そして大手の資金力で行われた場合、アイディア元自体が運営するよりいいものが安く出来ることが多々あります。


潰されないためにはどうしたらいいか。ウミガメの処世術はずばり、グレーゾーンを狙うということです。何かを始めた時に真正面に競合が立たない立ち位置。例えばラングリッチの「潰してくることの出来る」競合は日本の駅前留学などの教育産業です。でも彼らは「Skypeを通して教えるなんてインチキだ」「安い価格だけあってカリキュラムもなっちゃいない」などとイチャモンをつけ、参入してきません。彼らが抱えている教師達が日本にいる以上、同じ価格では決して出来ないから。だから文句を言うことしかできない。
文句を言われたらこっちのもんです。彼らがそういう態度を取った以上、時代の流れが変わるまでは参入してこない。
他のグレーゾーンの例でデフレキャバクラ、セクシー居酒屋の話。日本の居酒屋業界は風前の灯火で潰れる所が多々ある、それを居抜きで買い取って内装はそのままでTバック居酒屋としてオープンするそうです。客単価7000円。それでも予約取れないくらい繁盛している。これは実は居酒屋としては客単価高いのだけど、客層はキャバクラ(客単価15000円)価格を払っていた人達。ここから流れた客層をうまく囲い込む。店も居酒屋の店そのままなのでコストもかからず、出してる料理もから揚げ、枝豆など普通の居酒屋。でも和民の社長が「うちもセクシー路線で!」と参入してくるかというと、しないでしょう。都知事に立候補した会長がまず反対するでしょうね。
こういうグレーゾーンこそ、ベンチャーの聖域だというのが加藤さんの持論です。


ウミガメは、中国語です。海亀、ハイグイ。アメリカで起業し中国に凱旋した成功者を言います。
中国のGoogleことBaidu百度の創業者はハイグイとして知られています。中学の授業の副読本にもなり、書店でも彼の本が山積み。まさにロールモデル。こんな成功を収めたいと思う10代は山のようにいることでしょう。
加藤さんはそんなウミガメを日本人でも作りたい、自分が手がけた中で全部が成功するとは思ってない、1社だけでいい。そのひとつさえ出来れば模倣の上手い日本人のこと、後に続く人は出てくるだろう、と仰っています。

ウミガメ候補たちの背中を押し、鼓舞し、ともに悩み、成長を勝ち得ていくことに、私は残りの半生を賭けたいと思っているのです。

「若者よ、アジアのウミガメとなれ」【加藤順彦ポール】 : TechWave