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パスタを茹でるポイント(普段あんまり自炊しない人向け)

ライフハック的な

こないだオフ後のご飯でパスタ屋に行ったのですが「いや〜家でパスタ作ると失敗するんだよねー…」と言っていた方がいるので思いついたことを3点ほど書いてみます。

塩をたくさん入れて茹でれば美味しいんだよね?

これは料理をする人としない人で「たくさん」の捉え方がだいぶ違うので失敗要因になるかと。
料理する人だと、通常の塩加減は一つまみ(親指・人差し指・中指でつまむ。0.5〜1g)だとか一振りだとかが単位になります。
それと比べての「たくさん」という言葉なので騙されちゃあいけません。


そもそも実は、塩の中の塩化ナトリウムは単に下味をつける以上の働きはほとんどありません。
なので食卓塩(塩化ナトリウム99%)だとしょっぱくなりすぎて失敗します。
(沸点を上げる作用もあるけどそれより火加減の方がよっぽど重要です。あと沸騰する温度は気圧よって違うから気温が下がっているときは多くて晴れているときは少な目に〜などと言う人もいますが、料理人じゃああるまいしそんなん気にしてたらご飯なんか作れません。)


麺のコシというのは小麦粉のタンパク質に含まれるグルテンの働きによるものです。
アルカリ性物質がこのグルテンを強化してくれます。
なので私は海水から作られた塩(塩化ナトリウム95%くらい)を使ってます。にがりが含まれてるアレです。1kgで250円前後。


実は私は単純に、塩を入れると麺同士がくっつきにくくなって、茹でている最中に鍋に張り付いて混ぜてなくてもいいので楽だからという経験則で入れてました。
まーこれがつまり表面に弾力が出た、ということなんでしょう。

じゃあ海水の塩を使うよ。で、どれくらい入れればいいの?

その前にお湯の量を気にしてください。
ライフハックレシピ等で書かれる「麺100gで1リットル」という文言は100gしか茹でない場合には少ないです。
世帯者が4人分で4リットルでやるんだったらまぁ合ってるんでしょうけど、、、

例えばケーキを焼くときはオーブンは大きいほうがいいです。これは暖められた庫内の空気の量が多い方が温度が下がりにくく、また均一の温度になるからです。
同様に麺を茹でるお湯も多い方がいいです。たくさんのお湯で沸騰が保てる火加減で一気に茹でちゃいます。


ただあんまりやたらめったら大きい鍋を用意するのも現実的じゃないです。
一人暮らしで18cmの片手鍋を使うとすると、水を8分目まで入れて約2リットルです。
これで1人前として100gの麺を茹でるなら塩は10〜15gが適量です。大さじではかると2/3〜1杯です(注:大さじ1杯とはすりきり=表面が平らな状態での量 のことです)。
その加減はソースの種類や麺の太さで決めます。
太い麺=麺の体積が大きい と、当然茹でるときに水分と一緒に塩分が入り込むのでしょっぱくなりがちです。少し控えましょう。
ソースがこってり系だったり、レトルト等で味が変えられないなら少なめが無難です。
料理は足し算は出来ても引き算はできないので、慣れてないなら10gくらいにしておきましょう。

何分茹でればいいの?

タイマーを信じすぎると裏切られます。正しいのは自分で味見すること
麺の袋に書いてある時間の1分くらい前からちょいちょい食べてみて、「これだ!」と思ったらすぐ引き揚げます。まずは自分の「これだ!」という茹で加減を見つけてください。
本当は引き揚げるタイムラグと、皿に盛ってからも余熱で火が通るので、慣れてきたら「これだ!」より10秒早く引き揚げてください。


私の場合、麺をゆっくり噛んだら中心に向かってグラデーションになる(早く噛んだら芯が白くなる)ぐらいで引き揚げてますが、これだとパスタ屋さんで出されるアルデンテよりも柔らかい仕上がりになります。私はふっくら柔らかく茹で上がったパスタが大好きなんだ!


慣れるとイチイチ味見する必要はなくなります。
菜箸で混ぜながら茹でてるとだんだん箸にあたる感覚が柔らかくなってくるので、それで大体の茹で上がりがわかるようになります。
この感覚の習得は早くて数回、不器用な人でも10数回程度でわかるようになると思うので、是非やってみてください。
1回覚えると一生ものです。今後人生でパスタを食べる回数との投資効率で言うと絶対オトク。



さらっと書くつもりだったのに長くなっちゃいました。料理は科学なので根拠まで言うとキリがないですね。
料理が科学である、ということを一般人向けにうまく解説した本でこういうものがあります。

中学生頃に読んだのですが、変にわかりやすい言い回しをしようとしていないせいかすっと読めました。根拠となるデータも併記されてる箇所が多いので理系の人間の方が理解しやすい文体だと思います。こういう本を読んで原理を知っておくと、レシピによくありがちな形容詞的表現に惑わされなくなります(塩たくさんとか適量とかつまり何gだよ!とならない)。初心者向けのレシピ本を数冊読むよりずっと有効なのでオススメ。
料理版は以下になります。こっちは読んでませんが、かれこれ30年のロングセラーです(リンクは新装版)。
「こつ」の科学―調理の疑問に答える
杉田 浩一
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